2026年8月23日説教「人生の昇り坂・下り坂、真坂(まさか)!」村上光信牧師
ルカによる福音書15章1節~7節
(1)序
私は、1989年鹿児島県育英財団の海外研究員として7年間米国テキサスに留学させていただきました。その時に米国の礼拝では牧師先生が政治家の為に祈りしている姿に出会い、政治家の為に祈る大切さを教えられました。現在、私は毎朝4代目クリスチャン政治家に400字程度のメッセージを送信しています。4代目ともなる筋金入りのクリスチャンで海外出張中でも必ず返信があり感服しています。ちなみに、今朝は629回目でした。
・米国での経験を活かして今日の宣教メモをお配りしましたがお持ちですか?
実は、アメリカに留学した時に2000人ほどの大教会の礼拝に参加していましたが、週報に宣教メモが挟んであり、英語のできない外国人の私には本当に助かりました。私は早口で聞きづらい所もあるのでこれでカバーできればとも考えて私も作成しましたのでご利用下さい。
- ①聖書は学問の府である。国立国会図書館「真理はあなた方を自由にする」ヨハネ福音書8章32節
- ②ロケット博士:東京大学教授の糸川英夫博士の「まさか」
- ③宇宙飛行士、毛利衛氏との「まさか」の出会い
①最初に「聖書は学問の府」である事を紹介したいと思います。
多くの哲学者・教育学者・医学者・音楽家・画家・会計学者・観光学・宇宙学研究者等々がこの聖書からそれぞれの学問を構築しました。
なんと、日本の国立国会図書館の入り口にはヨハネの福音書8章12節「真理はあなたがたを自由にする」とありますが、聖書の言葉知らない方々が多いようです。
・歴史をみると、多くの学問の始まりは修道院や教会で生まれました。
②私は東京神学大学へ進学する前には拓殖大学で会計学を専攻していました。
会計学は修道院のなかで誕生したと、ノンクリスチャンの教授に教えていただきました。
「近代会計学の父」と言われる、ルカ・パチョリはイタリア人で神父さんです。
教会の献金、ブドウ酒や小麦の収穫等つまり教会の財産管理をされた方です。
教会では、イエス様の十字架と復活を記念して晩餐式を行います。
葡萄や小麦等の農園管理や収穫の管理が必要でしたから会計学が生まれたと言われます。この時期既に複式簿記がありました。
余談ですが、鹿児島税関の第一号の輸入品の記録は、晩餐式用に鹿児島カトリック教区が輸入した葡萄酒だそうです。
③種子島は日本において宇宙に近い島と言われます。
宇宙学の始まりは、1543年天動説をひっくり返したコペルニクスの地動説です。
コペルニクスも聖書から知恵を与えられた神父様です。
日本のロケット博士の糸川英夫教授は、宇宙学を学ぶにはコペルニクスが地動説を学んだ聖書を学ぶべきとして聖書を学びクリスチャンになりました。
●学問を深めて、真理を発見し、聖書に出会って欲しいと考えています。
(2)ルカ福音書15章の背景
・イスラエルの4つの社会階層がありますが大きく2つの社会構造に区分されます。
・1つは取税人+罪人、2つ目はパリサイ人+律法学者に分ける事ができます。
・4つの社会階層の特色を見て行きましょう。
①取税人、②罪人、③パリサイ派、④律法学者 B)イエス様と4つの社会階層の人々との関係
③取税人:文字の通りに税金の取り立て人です。
しかし、ただの取税人ではありません。悪徳な税の取り立て屋です。
ローマ政府へ納める金額以上に住民からしぼり立て私腹を肥やしていた。
故に、民衆からは嫌われ者、ユダヤ社会からはじき出されていた。当時の社会構図の階級の中でも身分が低かったと、言われています。
②罪人:英語では outcast=見捨てられた、つまり当時の社会から見捨てられた人。
神なき者、神様中心の生活をしていない人の事を言います。
ギリシャ語では、ハマルティアのギリシャ語が使われています。
その意味は「的外れ」の意味です。
③パリサイ派:紀元前2世紀中期にユダヤの学者階級の間から起こり、学者たちによって構築され、律法を厳格に実践に熱中した学者グループ。
ヘロデ王の時代に6,000人の学者が教会組織を構成しておりユダや全土に影響を及ぼしたと言われています。
パリサイ派はこの聖書的教えを国民生活の中心に置くことに努力し、国民から信望を得ていた人々です。この時代には国民は聖書を個人的に持たない時代ですから会堂でのパリサイ派の学者の教えが唯一神様の教えでした。
④律法学者:紀元前2世紀中期に、つまり旧約聖書の時代には字を読める、聖書を読める人は 律法学者や一部に人々だけだった。
彼らは王宮の書記を務めたり、律法を写筆したり、研究していました。
律法すなわち聖書を通して、国民の宗教生活の指導に当たる律法学者は、次第にユダヤ社会で重んじられるようになって行きました。
これまでをまとめてみますと
●取税人+罪人は、律法を守らない人々。悪い人。
●パリサイ派+律法学者は、律法を守る、律法を教える正しい人。
●パリサイ派+律法学者のイエス様に対する評価は、
イエス様は、律法を守らない、守れないユダヤ人(取税人+罪人)と交わり、しかも、律法で禁じられている安息日に病人を癒し、仕事をしている許せない人物なのです。 ルカ15:2「するとパリサイ派や律法学者たちがつぶやいた{この人は罪人を迎えて一緒に食事をしている}とあります。だから許せない人物!
●反対に、イエス様は律法学者やパリサイ派をどのように評価しているか?
マタイ:23:23「偽善者・わざわい」とあります。
[公平・哀れみ]を忘れている。あわれみ;ギ語「腸がゆすぶられる」
●そのような背景の中でイエス様が15章4節からの有名なたとえ話しをされました。
(3)神の五つの愛
・まずは、この例え話の背景を説明しましょう。
●「羊」について、皆さんは羊についてどのようなイメージをお持ちですか?
聖書に500回も登場します。呼び名も4種類:羊、雄羊、雌羊、小羊、
①羊はイエス様の時代パレスチナ地方では、羊は個人の所有ではなく、共同の所有物として村の財産でした。羊飼いは、役場職員=公務員(専門職)だったわけです。
現在も、地域の家畜を守る専門家として公務員の中に獣医さんがいますよね~。
②羊飼いは、公務員=専門職で、迷い出た羊を探し出す名人でもありました。
③羊の100頭となると2人~3人でお世話していたようです。だから、99匹を残して 一匹を探しに行けました。
④羊飼いらは村の財産を守るために深い谷や崖の危険を冒してまでも探し出して、 5節にあるように疲れている羊を自分の肩に乗せて村人の待つ村へ帰って来ました。
聖画として良く有名な画家達が題材にする箇所です。
⑤ちなみに、羊飼いの杖がどうして「?形」かご存知ですか。
群れを外れた羊を群れに引き寄せるためだそうです。魔法の杖です。
牧師にもこのような杖が欲しいい物と何度も考えたものです。
●この一匹の羊を大切にする例え話しでイエス様は何を教えているか?
①神様の愛は、個人的な愛である
②神様の愛は、忍耐深い愛である
③神様の愛は、人を訪ね求める愛である
④神様の愛は、喜ぶ愛である
⑤神様の愛は、保護する愛である
>①神様の愛は、個人的な愛である
皆さんの中には子供さんを数名育てている方もいらっしゃると思いますが子供が何人いても1人1人がみな大切で、いなくてもよい子供など一人もいません。この場合も99匹いるから一匹はどうでもよいのではありません。
しかし近年、新聞紙上では子供を愛せない周りの大人の事件が報じられています。
令和5年度の児童虐待相談対応件数は 225,509 件。
総務省発表の虐待の比率:67%が親からの虐待。
児童相談所における児童虐待相談対応件数は24年間で約80倍に増加しています。
虐待による死亡事例は年間50件を超え、(52週/1年間)1週間に1人子供が命を落としています。 愛のない世界と言えます。
②神様の愛は、忍耐深い愛である
所で、我々が生きていく上で、日常生活をする上で、子育てをする上では「忍耐」が必要です。仕事上ではリーダーになればなるほどに「忍耐」が必要となって来ます。
日常生活している中で、仕事の中では苦しみや困難、危機、そして患難があります。その時に「忍耐」が必要となってきます。
聖書には、忍耐を克服したならばその先には「希望」があると教えています。
{患難は忍耐を生み出し、忍耐は錬達を生み出し、錬達は「希望」を生み出す}(ローマ人への手紙5:3-5)と書いてあります。 ここでは何を教えているのでしょうか?
あなたの前に起こって来る、困難、危機、患難から逃げ出さないで、反対に積極的に受け入れ「忍耐」して対処しなさいと、教えています。 旧約聖書アモス書1:3に、3回までは許されるが4回は許されないですと教えられていました。
③神様の愛は、人を訪ね求める愛である
羊飼いは、羊が自分で戻って来るのを待たずに自分から出かけて行って羊を探に出かけるのです。ここに大きなメッセージがあります。
牧師や執事の牧会の基本であり、我々キリスト教の伝道の根本であります。
「待つ」のではなくで、出て行く、つまり訪問伝道です。 初代教会の成立はまさしくパウロの伝道旅行の成果です。車も新幹線もない時代にパレスチナからヨーロッパを何日もかけて3回もの伝道旅行をしているのです。
歴史を紐解くとこのパウロの3回の伝道旅行のおかげで異邦人伝道がなされて、スペインがキリスト教国になりザビエルが日本にキリスト教を伝えた事になります。
私はザビエル渡来450周年記念の時に『ザビエル巡礼ガイド 鹿児島編』を出版させていただいた時に色々と記録を調査させていただい事があります。
少し余談ですが、私は大学で観光学を教えていました。
実は、加治屋町教会員で観光の専門家の七枝敏弘教授には小さな拙著『ザビエル巡礼ガイド鹿児島編』を27年前に出版させていただいた時にお世話になり、交流させていただいています。
松本敏之牧師先生は、聖書に関する著書を多数出版されており、私も寄贈いただき参考にさせえていただき感謝しています。
④神様の愛は、喜ぶ愛である
突然ですが、皆さんは他人の幸福を心から喜んで祝福ができますか?
次の文章はある人の幸福を喜べない告白です。お聞き下さい。
「私は福祉関係の仕事をしています。仕事上、弱い人間が自分よりも弱い人間を馬鹿にする場面に遭遇します。例えば、足が不自由なひとが、耳の遠い人を馬鹿にしたり、耳の遠い人が目の見えない人を馬鹿にしたりする事です。そんな場面に会うたび人間の悲しさを感じます。サッカー日本代表の優勝には喜べるけど、隣の家の子の大学合格には心底喜べない時に自分の矛盾に気づきます。でも、悲しい映画やドキュメンタリィーには涙がでます。みなさんどう思いますか?」
「他人を同情する事は優しいが、他人を喜ぶ事は難しい」
聖書にも同じような記事があります。
放蕩息子で有名な物語がルカ15章11節に紹介されています。
ストーリーを紹介!
ここでは財産を使い果たして放蕩する息子が取り上げられますが、お兄さんは、弟が帰って来たと喜んでいる父親の喜びを共有できない心の弱さがあります。
ルカ福音書15章
5節「そして、見つけたら、喜んでそれを(羊)を肩に乗せ、」
6節「友人や隣人を呼び集め」
7節「私と一緒に喜んで下さい。いなくなった羊を見つけましたから」
先程、説明しましたように(羊)は共同体の共有財産です。数名の羊飼いが一緒に 仕事をしていたと思われます。羊飼いのミスで村の財産を失う所でした。
しかし、ここにはただ喜びがあるだけです。責任のなすりあいもなければ、軽蔑のまなざしもありません。
羊飼いは、自分のミスで失いかけた羊を見つけ、自分のミスを取り返したのです。
それを友人・知人が共に喜んでいるのです。 神様の愛は、あなたの失敗や罪を全部赦して喜ぶ愛なのです。
⑤神様の愛は、保護する愛である
右側のロゴの犬種は何の犬種だと思われますか? 修道院の救助犬です。遭難者を保護するセントバーナード犬です。
フ―ドバンクは、食材に困っている人々を助け出す事でこのロゴにしました。
聖書の黄金律と言われるマタイの福音書7章12節がフードバンクのモットーです。
『何事でも人々からしてほしいと望む事を、人々にもその通りにせよ』
●フードバンクの歴史は、米国での教会の婦人の炊き出し活動がスタートです。 教会員で缶詰め工場の社長さんが、炊き出しで食材をいただいた方々が礼拝に出席する姿をご覧になり、「炊き出し」が伝道になるのだと知りました。
そこで会社として缶詰の寄付がごみ処理代金がいらなくなりましたのでその金額を社長さんが活動費として婦人会に寄附して下さり、全米に広がり、世界に広がりました。
余った食材は「捨てるとごみ」となり廃棄料金も支払わなくてはなりませんが、「寄附すると笑顔」企業も廃棄料金も支払わなくて良く、受け取った方からは 「笑顔」が生まれます。
加治屋町教会にも同じように炊き出しに活動があるとお聞きして、フードバンクお助けマンの 理事長としては最高の喜びです。
余談ですが、2019年日本でも「食品ロス削減推進法案」が施行され、フードバンクの私共に寄付すると免税処置になります。昨年度お助けマン霧島に380トンもの食材が寄付されました。まだまだ、この「食品ロス削減推進法案」をご存じでない企業の方々が多いのは残念です。
それで多くの方々に知ってほしいとの思いからお知らせの為にテレビCMを流しています。スポンサー企業のおかげで昨年12月から今年の5月まではMBCテレビ放映させていただき好評でしたので先月の7月からはKKBテレビとMBCラジオで放映されています。 フードバンクお助けの活動は、聖書の愛の実践です、伝道と考えています。
所で、日本理化学研究所、脳科学センターの松本元著『愛は脳を活性化する』には「愛の行動」が、植物人間を生き返らせてと紹介しています。
1)ソビエトでの例:ノーベル賞受賞者でもあるA氏は交通事故に遭い頭に損傷を負って左脳摘出する大手術を行い再起不可能、植物人間を宣告されました。
しかし、奥さまは諦めずに、毎日、毎日、数ヶ月も右の手を愛情込めて、神様の祈りながらさすりました。その結果奇跡的に回復したそうです。
2)日本の北海道での例:高校3年生が自分の運転するオートバイ大事故で損傷を負って左脳摘出する大手術を行い再起不可能、植物人間を宣告されました。
彼も愛する家族が毎日、代わる代わるお見舞いに来て数ヶ月も右の手を愛情込めて、神様の祈りながらさすりました。その結果奇跡的に回復しました。彼はその後大学に入学し社会人として活躍しているそうです。「ここにも感動のまさか!」があります。
著者の松本元ドクターは「このように医学では証明できない事がいくつも事例がある」と紹介し我々の愛情と祈りで植物人間が生き返るのです!と紹介しています。
あなたの愛の行為、炊き出しの奉仕にあり、伝道にあります。
伝道には、大きく2つに区分できます。直接伝道と間接伝道です。 「炊き出し」活動や「フードバンク」活動は間接伝道になります。 しかし、間接伝道の中にも「まさか!」が起きるのです!
一匹の羊とは、あなたの事なのです。「あなたは、高価で尊い!」のです。
(4)最後に
●米国での忘れられないエピソードを紹介します。3人の職種の友を持ちなさい。
皆さんは、3人の職種のお友達を考えてみて下さい!
①弁護士:あなたの最悪、困っているのを見て、助けてくれます。
②医 者:あなたのありのまま、病状を見て、助けてくれます。
③牧 師: あなたの最良の所、長所を見て、助けてくれます。
私もこの3人の職種の方々との出会いのおかげで楽しい人生を送っています。
松本敏之牧師先生は「あなたの最良の所、長所を見て、助けてくれる。」牧師先生です。
松本敏之牧師先生を自分の牧師にできる事に感謝して、皆さんも牧師先生のお働きの為にお祈り下さい。