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「RBG 最強の85才」「ビリーブ 未来への大逆転」2018年 アメリカ

世界の映画 映画の世界
第64回
「RBG 最強の85才」 2018年 アメリカ 98分
〈監督〉ベッツィ・ウェスト、 ジュリー・コーエン
原題:RBG

「ビリーブ 未来への大逆転」 2018年 アメリカ 120分
〈監督〉ミミ・レダー
原題:On the Basis of Sex

米国最高裁の史上2人目の女性判事であったルース・ベイダー・ギンズバーグ氏が、2020年9月18日87歳で逝去した。

彼女は女性や少数者の権利を強力に擁護したことで知られるが、名前の頭文字をとったRBGとして親しまれ、若者の間でもカリスマ的な人気があった。今回はほぼ同時期に公開されたギンズバーグ氏についての映画を2本まとめて紹介したい。

「RBG 最強の85才」は、彼女の生涯全体をさまざまなエピソードを交えながら、描いていくドキュメンタリー映画である。彼女の素顔と、彼女がアメリカ社会に与えた大きな影響を知ることができる。
冒頭で彼女が引用して語る言葉が全体を象徴する。「特別な扱いは求めません。男性の皆さん、お願いです。私たちを踏みつけているその足をどけて」(サラ・グリムケ)。

「ビリーブ 未来への大逆転」は、彼女のハーバード大学入学時から、1970年代の男女差別をめぐる裁判で初めて勝訴する歴史的瞬間までに焦点をあて「事実に基づいた物語」として描く。この映画で取り上げられる裁判とは、なんと介護費用控除の申請を女性に限定した「男性に対する性差別」を問題にした裁判であった。彼女はこう訴える。
「国を変えろとは言いません。勝手に変わるからです。国が変わる権利を守って欲しいのです。(性差別を認める)法律は一つ一つ変えなければなりません。手始めとなる先例を作ってください。」
そこから性差別を容認しない新しい時代が切り拓かれていくのである。

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