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「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」2020年 中国

世界の映画 映画の世界 
第84回
「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」
2020年 中国 103分
〈監督〉チャン・イーモウ
原題:一秒鐘 One Second
 
 名匠チャン・イーモウ監督は、「あの子を探して」「初恋のきた道」「妻への家路」など心の琴線に触れる芸術映画と、「HERO」「グレート・ウォール」などハリウッド顔負けの大掛かりなアクション映画を撮り分けてきたが、この映画は前者の系譜に属する。

 物語は、文化大革命時代、「労働改造所」に送られていた男が「ニュース映画に娘がほんの1秒映っている」という話を聞き、それを見たいがために逃亡してくるところから始まる。たどり着いた村で、そのフィルム缶らしき物を見つけるが、みすぼらしい少女がそれを盗もうとしていた。
 彼女は小さな弟と二人暮らし。弟の勉強のために電気スタンドを借りたのであるが、不注意で映画のフィルムでできたスタンドの笠を燃やしてしまった。そしてフィルムを盗んで返すように、毎日脅されていたのである。つまり彼女にとってはどんなフィルムでもよかったのだ。
 敵対心むき出しのような出会いから、お互いの境遇を知るにつれ、二人は次第に心を通わせるようになる。
 映画のフィルムはある事情により傷んでしまったのであるが、村人たちの洗浄作業で何とか上映にこぎつける。しかし男が逃亡犯であることが上映員にばれてしまう。

 イーモウ監督は、「本作は私にとって非常にパーソナルな内容で、青春時代の記憶そのものです」と語る。中国版「ニュー・シネマ・パラダイス」とも言えよう。
 2008年の北京オリンピックの開会式・閉会式の総監督を務めるなど、中国政府よりになってしまったかのように言われることもあるが、そこはイーモウ監督。自由に物が言えない現代に対する批判を、したたかに盛り込んでいるようにも思える。

ポスター画像

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