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「最後のランナー」 2016年 中国・香港、アメリカ

世界の映画 映画の世界
第51回
「最後のランナー」
2016年中国・香港、アメリカ 96分
<監督>スティーヴン・シン、 マイケル・パーカー
原題:On Wings of Eagles

知らなかった。名作映画『炎のランナー』(1981年)の主人公の一人エリック・リデルが、これほど過酷な後半生を送っていたとは。
知らなかった。第二次世界大戦時、日本軍占領下の中国に、欧米人を拘禁した厳しい収容所があったとは。
エリックは、1924年、パリ五輪で100メートル走の英国代表選手となるが、予選日が日曜日であると知り、厳格なクリスチャンである彼は、安息日であることを理由に棄権する。仲間の機転により400メートル走に種目変更し、見事金メダルを獲得した。そこまでは『炎のランナー』の物語。

『最後のランナー』は、その後のエリックの生涯を描く。彼は大学を卒業後、中国の天津へ渡る。もともと宣教師の息子として、中国で生まれた彼にとっては、生まれた国へ帰ることでもあった。
満州事変の後、日本軍の弾圧が厳しくなり、1937年、エリックたち外国人は、天津の家も財産も奪われてしまった。さらに1942年に造られた濰県(ウェイシン)収容所(山東省)に入れられ、そこでさまざまなひどい仕打ちを受けることになる。
ある日、彼が五輪金メダリストであることを知った日本人の所長は、彼に「自分と勝負せよ」と迫る。エリックは極度の空腹により十分に走ることができなかった。エリックは仲間に薬を得させるため、ある条件をつけて、再レースを申し出るのであるが、その先には悲劇が待っていた。
収容所解放を待たずに病死したエリックの墓碑には、「鷲のように翼を広げ、舞い上がり、走ってもたゆまない」(イザヤ書40・31)という言葉が刻まれている。

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