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2023年3月19日説教「ダビデとサウル」松本敏之牧師

サムエル記上26章1~12節 マタイによる福音書5章38~39節

(1)敬愛幼稚園卒園礼拝

敬愛幼稚園は、3月16日に無事に第105回卒園礼拝を終え、16名のゆり組、年長児の子どもたちが巣立って行きました。コロナ禍になる前は、卒園礼拝直後の日曜日の礼拝は、卒園感謝全家族礼拝として、大人と子ども合同で礼拝を行い、卒園生たちに前に立って賛美をしてもらっていました。コロナ禍でそれを中止していましたが、年度初めには今年度はできるかなと思い、総会資料などではそのように計画していました。しかし向かい合って歌うことになりますので、もう一年、待とうということになりました。ただ卒園生たちが卒園礼拝で歌った「主につくられたわたし」という賛美歌と、卒園感謝会で歌った「みんな友だち」という歌を録画で視聴していただきました。どうぞ幼稚園を巣立っていった子どもたちのために、また敬愛幼稚園のためにお祈りいただきたいと思います。また教会こども会のためにもぜひお祈りください。

さて今日は、全家族礼拝であったならば、ダビデ物語の紙芝居をしたいと思っていました。ちょうど私たちの聖書日課も、今はサムエル記のダビデ物語だからです。聖書日課のほうは、もうサムエル記下に入っていますが、サムエル記上のダビデが王になるまでの物語、子どもに語っている形を織り交ぜてお話しようと思います。

(2)琴の名手ダビデ

サムエル記上の後半あたりから始めます。当時のイスラエルの王様はサウルでした。 神さまの霊がサウル王を離れて悪い霊がサウルをさいなむようになっていました。荒れる王様を前に、家来たちは言いました。

「王様をさいなむのは神からの悪い霊です。どうか私たちに命じて、琴を弾くのが巧みな者を探させてください。悪い霊がさいなむとき、その者が琴を奏でれば、王様の気分はよくなるでしょう。」

「そうか、わかった。琴の名手を見つけ出し。ここに連れて来てくれ。」

「申し上げます。ベツレヘムの人エッサイの息子にあったことがありますが、彼は琴を弾くのが上手で、力ある勇士でもあり、戦士でもあります。しかも賢く容姿も優れ、主が彼と共におられます。」

サウル王は言いました。

「その者をここへ連れて来てくれ。」

王様の使者は、エッサイのもとに人を遣わして、ダビデを王様のところに来させるように命じました。

ダビデは羊飼いでしたが、いつも羊たちに向かって琴を弾いて、歌を歌っていました。

「ポロロン、ポロロン、ポロポロロン、ポロポロポロロン、ポロポロロンロン。 自分でつくったさんびかを ダビデはいつも 歌ってた。 私たちが羊なら、神さまは羊飼い」

羊たちもうっとりと聞いています。

「ダビデさん、上手ねえ。ウンメエエ。ウンメエエ」

そこへお父さんのエッサイさんが走ってやってきました。「おーい、ダビデー、大変だー」

「これは~、これは~、お父さん。そんなにあわててどうしたの~♬」

歌なんか歌ってる場合じゃないぞー。王様がお前をお呼びだー」

「それは~、それは~、大変ね。私は急いでまいります~♬」

ダビデは急いでサウル王のもとへ行って、琴を弾きました。 「ポロロン、ポロロン、ポロポロロン、ポロポロポロロン、ポロポロロンロン。」

王様の気分はすっかりよくなりました。 「いい音色じゃのう。名は何と言うか。 「はい、ダビデです。」 「ダビデよ、これからも私に仕えてくれるか」 「はい、王様。喜んで仕えさせていただきます。

(3)ペリシテ軍と向き合うイスラエル軍

さてその頃、ペリシテ人はイスラエルに対して戦いをしかけていました。ペリシテ軍の中に、一人、ゴリアトという2メートル以上ある大男がいました。ダビデのお兄さんたちも戦いの中に加わっていました。ダビデはサウル王と父エッサイのもとを行ったり来たりしていました。

ある日のこと、ダビデはお父さんから、戦いに行っているお兄さんに、「食べ物を持って行ってくれ」と頼まれて、行きました。そうすると、ペリシテ軍の中の大男が、こちらに向かって叫んでいるではありませんか。

「お前たちの中で、俺様と戦う勇気のあるやつはいないか。みんなが死ぬこともない。誰かお前たちの中の一人が俺様と戦って、そいつが勝ったなら、俺たちはみんなお前たちの奴隷になろう。しかし俺様が勝ったら、お前たちがみんな、俺たちの奴隷になるのだ。どうだ。わっはっは」

しかしこちらのイスラエル軍の人たちは、みんな黙ってうつむいています。誰もゴリアトに勝てるとは思いませんでした。そこへダビデがやっています。

「お兄さん」

「あっ、びっくりした。ダビデじゃないか、静かにしてろ。今、声を出すと、大変だ」

「お兄さんたち、どうしてみんなは黙ってるの。どうして戦おうとしないの。僕たちには神様がついているじゃないですか。神様がついていてくれるなら、勝てると思うけど」

「しーっ、黙っていなさい。そんなこと、聞こえたら大変だぞ」

しかしそれが聞こえて、ついにサウル王の耳にも入りました。

「王様、『ゴリアトと戦う』という若者がいました」

「そうか、ここへ連れてまいれ」

「ははあ」

「なんだ、お前か。一体何を考えているのだ。お前はまだ少年だし、あちらは少年の時から戦士なのだぞ」

「王様、申し上げます。私は羊飼いです。ライオンや熊が出て来ることもあります。そのときは、ライオンや熊から羊たちを守らなければなりません。羊を奪われれば、追いかけて、口の中から羊を取り出します。ライオンが向かってくれば、たてがみをつかみ、打ち殺します。ですから、あんな大男ゴリアトなんて、ライオンや熊に比べれば、こわくなんかありません。」

「そうか。それでは行ってくれるか」

「はい、王様」

「ダビデ、ちょっと待ちなさい。私の鎧兜を身に着けていきなさい。」

ダビデはそれを着てみましたが、ぶかぶかで、しかも重すぎました。

「王様、ぶかぶかです。こんなものを着てたのでは、歩くこともできません。」

(4)ゴリアトとの一騎打ち

そう言って、ダビデはそれを脱ぎ捨て、手に自分の杖を持ち、川岸でなめらかな石を五つ選び、身に着けていた羊飼いの袋に入れ、石投げひもを手にして、ゴリアトに向かっていきました。

ゴリアトは、一歩一歩近づいてきました。そして相手を見ると、少年だったので、侮ってこう言いました。

「私は犬か。杖をもって私に向かって来るとは。さあ掛かって来い。お前の肉を空の鳥、野の獣にくれてやろう。」

ダビデは、こう言います。

「お前は剣や槍や投げ槍で私に向かって来るが、私はお前が挑戦したイスラエルの戦列の神、万軍の主の名によって、お前に立ち向かう。今日、主はお前を私の手に渡されるだろう。」

「なんだとー、こしゃくな奴め」

ゴリアトはこちらに向かってきました。ダビデも向かっていきました。そして袋の中から石を取り出し、石投げひもを使ってゴリアト目がけてそれを飛ばしました。すると、その石はゴリアトの額に命中して、額に食い込みました。

「うわあー」

ゴリアトは、その場でうつ向きに倒れてしまいました。ダビデは、そこへ近づいて、ゴリアトの首を切り落としました。

それを見たペリシテ軍はみんな、「わあー、大変だ。逃げろー」と言って、逃げ出してしまいました。イスラエル軍は大喜びです。

(5)サウルのねたみの始まり

それがイスラエルにも伝えられます。凱旋パレードです。

イスラエルのあらゆる町から女たちが出てきて、タンバリンを打ち、喜びの声を上げ、歌い踊りながら、サウル王を迎えました。女たちは歌いました。

「サウルは千人を討ち、ダビデは一万人を討った。 サウルは千、ダビデは万 サウルは千、ダビデは万」

これを聞いて、サウルは激怒しました。

「なんだと、ダビデには万と言い、私には千と言う。私がこの国の王だぞ」

そしてダビデに対して猜疑心をもつようになりました。

次の日、神からの悪い霊がサウルに激しく降り、彼は家の中でわめき叫びました。ダビデはいつものように琴を手にして奏でました。

「ポロロン、ポロロン、ポロポロロン、ポロポロポロロン、ポロポロポロロン、ポロロンロン」

その時です。サウル王は近くにあった槍を手にして、「ダビデを壁に突き刺してやる」と言って、槍を投げました。しかも二回。しかしダビデは、二回ともさっと身をかわしてなんとか無事でした。

その日以来、サウルは何度もダビデを殺そうとしましたが、それをダビデは何とか交わしていました。

(6)親友ヨナタン

その一方で、サウル王の息子のヨナタンは、ダビデに近づいてきました。

「ダビデ君、すごいね。ぼくは君があの大男ゴリアトを倒すのを見て感動したよ。ぼくと友達になってくれるかい。あっ僕、サウル王の息子でヨナタンと言います。」

「あ、王子様。こちらこそよろしくお願いします。」

そしてダビデとヨナタンは親友になりました。

それからしばらくして、ダビデはヨナタンに言いにくいことを言いました。

「ヨナタン、王子。実は言いにくいんだけど、王様は僕のことを殺そうとしてるんだよ。」

「えっ、そんなことはないと思うけど。だってお父さんはどんなことだって、僕に相談しないでやることはないよ。」

「それはヨナタン王子が僕と親友なのを、サウル王がしておられるからだよ。隠しておられるんだよ」

「それじゃ、こうしよう。今度のお祭りの時、君は欠席してけれたまえ。そうしたら、王様は、『どうしてダビデは来ていないのか』と聞いてくるだろう。そうしたら、僕が『ダビデは、親戚のところへ、どうしても行かなければならないから、と言ったので、僕が許可をしました』と言うよ。その時に王様が穏やかに『そうか。わかった』と言えば、王様に殺意はない。でもそこでひどく怒ったら、君を殺そうとしていたということだよ」

「わかった。でもどうしてそれを知らせてくれるの」

「こうしよう。場所は、いつもの野原。君は隠れていてくれ。僕は従者を連れて野に行く。そして3本の矢を放って従者に取りに行かせる。僕が従者に向かって、『矢はもっとこっちだ。戻って来い』と言ったら、『安全だから、君も帰ってきて大丈夫だ』ということ。でも『矢はもっと向こうだ。あっちへ行け。』と言ったら、『王様は君を殺そうとしているから戻って来るな。逃げろ』ということだ。わかったかい」

「はい、ヨナタン王子様。わかりました。」

(7)祭りの日

そしてお祭りの日になりました。ダビデは欠席しています。王様はヨナタン王子に尋ねました。

「どうしてダビデは来ていないのか」。

「はい、王様。ダビデは、「どうしても行かなければならない、親戚の用事があるから、欠席させてください」と頼んだので、僕が許可しました。」

「なんだと。お前は、あいつと親しくしているけれども、あいつがどんな奴か知っているのか。あいつは私の王座を狙っているのだ。あいつが生きている限り、お前の将来も危ういのだ。どうしてそれがわからないのか」

そう言って、激怒しました。ヨナタンは、「ダビデ君は、悪くありません」と言いましたが、サウル王は「なんだと。どいつもこいつも、ダビデ、ダビデと言いやがって、私が王なんだぞ」

そう言って、ヨナタンに槍を投げつけようとします。ヨナタンはなんとかそれを避けることができましたが、王様がダビデを殺そうとしているのを悟りました。

そして二人はそれぞれ野原へ向かいました。

(8)野原での合図

ヨナタンは野原でできるだけ遠くに矢を飛ばしました。従者がそれを拾いに行きます。

ヨナタンは叫びました。「矢はもっと向こうだ。あっちへ行け。」

「ヨナタン王子様、今日は随分遠くへ飛ばされるなあ」

ヨナタンは、もう一度、矢を遠くへ飛ばします。

「矢はもっと向こうだ。もっと向こうへ行け。急げ。立ち止まるな」

「ヨナタン王子様、今日はなんだか随分興奮しておられるなあ」

それが3回ありました。

ダビデはそれを岩かげから、じっと見ていました。ヨナタンは従者に言いました。

「さあ、矢を拾ったら、今日はもう帰っていいぞ」

「いいんですか。ありがとうございます」

従者が去って行くと、ダビデは岩かげから顔を出して、地にひれ伏し、ヨナタンに向かって、三度礼をいたしました。その後、たまらなくなって、二人はかけよりました。

「ダビデー」「ヨナタン王子様」

二人は抱きしめ合い、キスをし、激しく泣きました。

(9)眠っているサウルに近づくダビデ

その後、ダビデの逃走の旅が始まります。さまざまなエピソードが記されていますが、最後のものを紹介します。ダビデがギブアにいる、と聞いたサウルは大勢の軍を挽いて、ギブアに向かいました。そしてあるところに、テントを張って全軍が眠っていた時のことです。ダビデは一人の部下(アビシャイ)だけを連れて、こっそりとその宿営地に向かいます。そうすると不思議なことに、神の霊がそこに下って、みんな熟睡して誰も二人が王様のすぐそばまで来たことに気づきませんでした。部下のアビシャイは、ダビデに向かって言いました。サウル王の護衛隊長のアブネルも眠ったまま、起きようとしません。

「ダビデ様、これは神様がくださったチャンスです。私の槍で、サウロ王を殺させてください。一突きでしとめます。」

しかしダビデはそれを許しませんでした。

「殺してはならない。主が油を注がれた者に手を下すなら、必ず罰を受けるだろう。神様にお任せしよう。時が来て死ぬか、戦いに出て倒れるか。とにかく神様にお任せしよう。今は、ただ王様の横にある槍と水差しを取って立ち去ろう。」

ダビデがそう言うので、アビシャイも仕方なく、それに従いました。

(10)谷を挟んで、向き合うダビデとサウル

そして夜が明けて、ダビデとその家来たちは、谷をはさんで、サウル王たちとは別の山の上から、叫びました。

「アブネルよ、お前はサウル王を守る立場の人間だろう。なzお前は、自分の主人であるサウル王を守れなかったのだ。われわれが忍び込んで、王のすぐそばまで行ったのに、お前は眠っていて、王を守れなかったではないか。これが何よりの証拠だ」

そう言って、ダビデは王の槍と水差しを見せました。それを聞いていたサウル王は言いました。「その声は、わが子、ダビデではないか。」

「はい。私です、王様」

「王様は、どうして私を追跡なさるのですか。私が何をしたと言うのです。私の手にどのような悪があると言うのですか。私には殺意などありません。この槍と水差しがそのしるしです。」

サウル王は言いました。

「私は罪を犯した。お前のほうが正しい。もう二度と危害を加えることはしない。ゆるしてくれ。さあ、私のもとへ帰ってきておくれ」

ようやくサウルはダビデを追跡するのをやめたのです。

ただダビデはサウル王のもとには戻りませんでした。しばらく経って、サウルはペリシテ人との戦いで命を落とすことになります。ヨナタン王子もその戦いで命を落としました。

ダビデは、最後の最後まで、サウル王に手を下すことはなく、サウル王とヨナタン王子が死んだ時には、哀悼の歌を歌いました。

(11)悪人に手向かってはならない

さて今日は、新約聖書のイエス様の言葉をあわせて読んでいただきました。

「あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と言われている。しかし、私は言っておく、悪人に手向かってはならない。誰かがあなたの右の頬を打つなら、左の頬も向けなさい。」マタイ5:38~39

これがイエス様の語られた、新しい教えです。しかしこの時のダビデの取った行動は、このイエス様の言葉に通じるものがあったのではないでしょうか。

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