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「太陽のめざめ」2015年 フランス

世界の映画 映画の世界
第31回
「太陽のめざめ」
2015年 フランス 119分
<監督>エマニュエル・ベルコ

「愛とは見捨てないことである。」これは、この映画の予告編の最後に出てくるキャッチコピーであるが、まさにこの映画にぴったりの言葉だ。
愛には、さまざまな定義があろう。「愛とは決して後悔しないこと」という名セリフもある。その中でも、「愛とは見捨てないこと」というのは、 聖書の示す神の愛(アガペー)に近い。無償の神の愛、決して人を見捨てない愛を受けた人間は、やはりそのような愛に生きるようにと促されるのである。

6歳だったマロニーの母親は、マロニーを学校へも行かせず放置していたことで、フローランス判事(カトリーヌ・ドヌーヴ)から裁判所に呼び出される。咎められ逆上した母親は、マロニーをその場に置いて出て行ってしまった。幼いマロニーは呆然としつつも、その目は「見捨てないで!」と訴えているようだ。
10年後、今度はマロニー自身が問題を起こし、フローランス判事に呼び出される。マロニーは、車を盗み、無免許での暴走を繰り返している。彼はまともな教育を受けず、家族の愛にも恵まれていなかった。反抗的な態度をとるマロニーに、判事は教育係をつけ、児童教育支援を受けさせることにした。しかしマロニーの非行はおさまらず、ついに暴力事件を起こしてしまった。再び判事に呼び出されたマロニーは「反省はしない。俺の人生だ」と居直っている。
マロニーは更生施設に入れられてもいらいらし、時々ブチ切れてしまうのであるが、教育係のヤン、施設の指導員、そしてフローランス判事は根気強くあきらめずに彼とかかわっていく。
ある日、マロニーは指導員の娘テスと恋に落ち、彼の人生は変わり始めるのである。

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