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「希望のダイヤル」(2024年5月)

「34年ぶりの円安、物価高」と言われながらも、私たちは毎日食事に与ることができています。一方世界には戦禍や自然災害、大規模な干ばつなどで、一日一日の命を繋ぐことさえも難しい方々が沢山いらっしゃいます。どのような状況にあっても、人々は懸命に生きるための努力を続けています。

旧約聖書のコヘレトの言葉には、次のような御言葉があります。

一人より二人のほうが幸せだ。

共に労苦すれば、彼らには幸せな報いがある。

たとえ一人が倒れても もう一人がその友をおこしてくれる。

一人は不幸だ。倒れても起こしてくれる友がいない。

また、二人で寝れば暖かいが 一人ではどうして暖まれよう。

たとえ一人が襲われても 二人でこれに立ち向かう。

三つ編みの糸はたやすくは切れない。(コヘレトの言葉4章 9節~12節)

この御言葉は結婚式の祝辞にも引用されます。互いに助け合いながら良い家庭を築いて下さいね。といったところでしょうか。「三つ編みの糸はたやすくは切れない。」の部分は毛利元就の三本の矢の訓えに通じるものがあります。

コヘレトの言葉は今から2200年以上も前に書かれたといわれています。その時代背景を考えると、結婚式とはまったく異なる風景が浮かんできます。当時は世界のいたるところで戦争が絶えませんでした。「戦場にあっては一人よりも二人の方が良い。お互いに助け合って敵から身を守りつつ、生き抜くことができる。」という解釈ができます。2200年以上も経った今の時代はどうでしょうか。当時と何も変わっていないような光景が毎日報道されています。文明は進歩しても、人間の本質は全く変わらず、心は成長しているでしょうか。

戦禍に苦しむウクライナやガザの人々、一発触発の状態となっている中東地域、アジアやアフリカの複数の地域でも紛争が絶えません。私たちはこの地上の世界にあって、一人では生きていくことはできません。お互いに助け合い、支え合いながら生活しています。今も昔も、一握りの為政者の都合や欲望により、戦禍に巻き込まれた人々は、その日の食糧にも事欠きながら、常に命の危険に晒されています。

80年近く平和が続いている日本では、戦禍に逃げ惑うことはなくても、自然災害が頻発し、苦労されている方々が沢山いらっしゃいます。また人に言えない悩みを抱えながら、苦しんでいる方々もあります。神様は私たちが生まれる前から、愛し守って下さっています。「コヘレトの言葉」は、私たちに「生きよ」と呼びかけています。皆さんも教会で神様の御言葉に触れてみませんか。

 

(参考:小友聡著「コヘレトの言葉を読もう」~「生きよ」と呼びかける書~)

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