「GOGO 94歳の小学生」 2019年 フランス
世界の映画 映画の世界
第76回
「GOGO 94歳の小学生」
2019年 フランス84分
〈監督〉パスカル・プリッソン
原題:Gogo
子どもたちからお年寄りまで、見るすべての人に笑顔と勇気を与えてくれる実話である。
プリシラ・ステナイ、通称ゴゴ(ケニアのカレンジン語で「おばあちゃん」の意)は、助産師歴75年の94歳。子どもの頃、女の子が学校に行くことは許されず、牛の世話をしていたという。不就学だった孫たちに愕然として、自らが手本となるべく数年前に小学校入学を決意し、世界一高齢の女子生徒となった。90歳で字も読めなかったが、今は6人のひ孫と共に小学校へ通う。緑の制服がよく似合い、一挙手一投足が微笑ましい。
ゴゴの一つの夢は女子生徒のための新たな寄宿舎を建ててもらうこと。何度も訴え、困難を乗り越え、ようやく竣工式の日を迎えた。「ゴゴ、プリシラ・ステナイ寄宿舎」と名付けられた。彼女はこう語った。「みんな、幸せか。私は最高潮だ。年のせいで足が痛む時もあるが、でも今日はひたすら幸せだ。将来のために学び続けよう。知識を増やすんだ。知識は財産になる。」彼女の顔は神々しく輝いている。
野生動物たちが生息するマライマサへの1週間のバス旅行。バスの中から、ライオン、キリン、象を間近に見て、みんな大興奮。観ている私たちも、ゴゴや子どもたちと共にうれしくなる。
ゴゴのもう一つの夢は小学校を卒業すること。しかし彼女はだんだん目が見えなくなり、落第してしまう。休暇中に退学を考えるようになった。彼女の夢は途絶えてしまうのか。校長先生がゴゴを訪ね、力を貸すこととなる。
「あなたがたの息子や娘は預言し、老人は夢を見、若者は幻を見る」(ヨエル3・1)。