新しい時をめざし
2020年6月27日
一昨日、このブログのタイトル「恵みの中、生かされ」は、私が翻訳に携わった『讃美歌21』480番「新しい時をめざし」の歌詞から取ったことを書きました。この賛美歌の日本語歌詞全文は、以下のとおりです。
- 1 新しい時をめざし
- この世を変えるために
- 招きにこたえ、歩きだそう。
- 神も共におられる。
- (くりかえし)
- みんなで
- 手と手つなぎあって、いま
- 共に輪をつくろう。
- 2 苦しみ、嘆きもたらす
- 悪の力は強い。
- だから手と手を離さずに
- ひとつとなり進もう。
- 3 新しい命をうむ
- 恵みの中、生かされ、
- いつも互いに愛し合おう、
- 神の愛にこたえて。
私は、この賛美歌と、この曲作りの中心にいたエルネスト・カルドーゾについて、「福音と世界」1997年7月号の「大地のリズムと歌」第6回「新しい時をめざし」に書きました。鹿児島加治屋町教会のホームページの「ブラジル通信」にも、その文章をあげていますので、どうぞお読みください。その中に、こういう文章があります。
「エルネスト・カルドーゾは、リタージーの国際的なリーダーであったが、1995年12月20日に38歳で病死している。」
エルネスト・カルドーゾは随分若くして亡くなりました。1957年生まれでしたから、私とほぼ同世代です。「福音と世界」にこの記事を書いた時に、すでに、ブラジル・メソジスト教会の関係者から、彼がエイズでなくなったこと、また彼が同性愛者であったことは伺っていましたが、そのことは書きませんでした。文字情報では確かめられませんでしたし、興味本位で、偏見をもって見られることを懸念したからでした。しかしその後、少しずつそのことが公にされるようになっていきました。2007年ブラジル・メソジスト教団の機関紙では、世界エイズデー(12月1日)にあわせて、エイズで亡くなった記憶すべき人物として、エルネスト・カルドーゾを振り返る記事が出ていました。(“Expositor Cristão” 2007年12月号、第6頁)http://www.metodista.org.br/content/interfaces/cms/userfiles/files/expositor-cristao/2007/ec_dezembro_07.pdf
私は、日本の人たちにも、今こそ、この事実を知ってもらいたいと思って、今回、思い切って書くことにしました。同性愛者であったエルネスト・カルドーゾがどのような思いでこの曲を書いたか、彼がどのような「新しい時」をめざしていたかがわかるように思ったからです。皆さんも、新たな思いでこの賛美歌を歌ってくださればうれしいです。
この下にポルトガル語の演奏のYouTubeを幾つか紹介します。この賛美歌(MOMENTO NOVO)のポルトガル語原歌詞の直訳も付けておきますので、味わいつつ、聞いてみてください。メロディーは微妙にみんな違います。
- 1 神は、私たちを召される。その民と共に歩む新しい時に向かって。
- 行き詰まった状況からの変革の時が来た。
- しかし一人で孤立していては何もできない。
- (くりかえし)
- だから、さあ来て!
- 私たちの輪に入ってください。
- あなたがとても大事なのです。
- 2 簡単にできることとは思えない。
- 死を作り出し、痛みや悲しみを引き起こす、非常に大きな力が存在している。
- 絆を強めなければならない。
- 3 命を産み出す力が、今日神の恵みを通して、私たちのうちに働いている。
- 愛を分かち合い、力をあわせて働くようにと、
- 神は私たちを招いておられる。
https://www.youtube.com/watch?v=5iyihPl8G2k
https://www.youtube.com/watch?v=p9FBM5DEaLQ
歌詞はこちらで見られます。興味深い演奏も、右側のYouTube画面で聴けますが、クリックしてから演奏が始まるまでかなり時間がかかります。