「賛美歌とわたし」(2023年2月)
私は60歳過ぎてから教会に導かれ、今は後期高齢者になりました。
若い頃は信仰について深く考えることもありませんでしたが、両親が高齢になって介護が必要になり、二人の母の認知症介護と長く関わるようになりました。母の世話と家事・育児同時進行の日々。精一杯の生活の中で「私の老後もこんなかしら?」と自分の将来を考えるようになりました。
そんな時古い友人と再会して、教会に招かれたのです。パイプオルガンの演奏会で、安らぎを感じて、日曜礼拝にも足を運ぶようになりました。オルガンの響きの中で、初めて皆さんと賛美歌を歌った時の感動は忘れません。涙が溢れて止まらず、歌えなくなりました。その時私は神様に出会ったのだと思います。
「すべて重荷を負って苦労している者はわたしのもとに来なさいあなたがたを休ませてあげよう」
(マタイによる福音書11章28節)
子どもの頃読んだハイジの物語で、心に残る場面があります。
都会に引き取られ、読み書き覚えて山に帰ってきたハイジは、真っ先に目の見えないペーターのおばあさんを訪ねて、古い歌の本を読んであげるのです。嬉しそうなおばあさんの頬に涙がつたっていました。今読んでみますと、それは古い賛美歌『おひさまの歌』明るい歌詞と2人の輝く笑顔が、生き生きと表現され、喜びが伝わってきます。
世界中の教会で、たくさんの美しい賛美歌が生まれ、愛されてきました。私たちは賛美歌を通して、神様と会話し、慰めと喜び生きる力を頂いています。これからも大好きな賛美歌を、しっかり覚えて歌い続け、老後を穏やかに過ごしたいと願っています。