「父さんは今天国にいますか?」(2025年6月)
こんにちは、鹿児島加治屋町教会の希望のダイヤルです。
ローマ教皇フランシスコが4月に亡くなりました。広島・長崎で核廃絶を訴えるメッセージを発信されたことが記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。平和を実現する為に動き、発信し、祈り、そして、多様性に目を向け、性的マイノリティーにも光をあてられました。「同性愛者の人が誠意をもって神の教えを請うなら、私に良い、悪いを決める資格はない」など、教皇の語られた様々な言葉が印象に残っています。
YouTubeに、フランシスコ教皇がとある町に行き、幼い少年の質問を聞いて、それに答えるという動画があります。教皇は、会衆の前でなかなか質問をすることができない少年を、自分のところに呼び寄せ、抱きしめながら、話を直接聞きます。そして、少年に語り掛けます。教皇は、少年に、どのような質問を自分にしたか、会衆に伝える許可をもらい、会衆に向けその話をします。
少年は父親を亡くしていました。父親は神さまを信じておらず、洗礼を受けていませんでした。一方で、父親は少年を含む子ども4人全員、洗礼を受けさせました。少年は「父さんは良い人だった」と教皇に伝えます。そして、教皇に「父さんは今天国にいますか?」と質問したのです。少年は信者ではない父親が天国にいるのか、疑問を持っていたのです。カトリックの教皇が、この質問にどのように答えるのか、私はとても興味を持って教皇の話を聞きました。教皇は、少年に語り掛けるように、会衆に語ります。「神さまは誰が天国に行くかを決める方です」「神さまの御心は彼のような父親にどのように応えるでしょう?」会衆にも問いかけます。「信仰を持たないのに、誰が自分の子どもたちに洗礼を受けさせることができるでしょう。彼は子どもからみても良い父親でした。神さまはご自身から、このような父親を遠ざけられるでしょうか?」と会衆に問いかけると、会衆は「いいえ!」と応えます。さらに「神さまは、ご自身の子どもをお見捨てになりますか?」と聞くと、会衆は「いいえ!」とこたえます。そして教皇は少年に「これが答えだよ。必ずや神さまは君のお父さんのことを誇りに思っている。信者でない者が自分の子どもには洗礼を受けさせた。お父さんの行ったことに神さまは大いにお喜びになったよ。」と伝えます。フランシスコ教皇の言葉は、少年を一生支えることになるでしょう。
洗礼を受けることは大切なことです。しかし、私たちが神さまの御心に沿った生き方をすることこそが、神さまがお喜びになる、本当に大切なことなのだ、とハッとさせられた教皇の言葉でした。
「私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、宥めの捧げ物として御子をお遣わしになりました。ここに愛があります」 ヨハネの手紙一 4章10節
神さまは、いつも温かい眼差しで私たちを見守ってくださっています。そのような神さまの愛に、少しでもこたえられるような生き方をしたいとあらためて思いました。
皆さまも教会で聖書を通して神さまの愛に触れてみませんか。
鹿児島加治屋町教会では、毎日曜日、午前9時からの子どもを中心とした家族礼拝と午前10時30分からの主日礼拝の、2回礼拝を守っております。「希望のダイヤル」をお聞きくださり、ありがとうございました。