「ワンダー 君は太陽」 2017年 アメリカ
世界の映画 映画の世界
第52回
「ワンダー 君は太陽」
2017年 アメリカ 113分
<監督>スティーヴン・チョボスキー
原題:Wonder
オギーは遺伝性の疾患により、普通の子とは違う顔をもって生まれてきた。度重なる手術のせいもあるが、両親はこれまでオギーを学校へは通わせず、家で教育してきた。外に出るとき、オギーは素顔を見られないように、いつも宇宙飛行士のヘルメットをかぶる。しかし中等部になる10歳を機に、両親はオギーを学校に通わせることにした。
いざ新学期が始まると、案の定オギーはみんなから嫌われたり、からかわれたりして、つらい思いをすることになる。
オギーはママに訴える。「どうして僕は醜いの」「あなたは醜くないわ」「ママだから、そう言うんだ」「ママだから、一番よく知っているのよ。あなたをよく知れば、醜くないって気づくわ」
ママはこう語る。「人の顔には印があるのよ。心は人の未来を示す地図。顔は人の過去を示す地図なの」
姉のヴィアも、両親と同様、オギーのことが大好き。両親にもう少し自分のことも見て欲しいけれど、納得して乗り越えようとしている。ヴィアはこう語る。「オギーは太陽。ママとパパと私はその周りの惑星」
校長先生は、いじめっ子とその子の両親を呼び出してこう語った。「オギーは見た目を変えられない。我々の見る目を変えなくては」
静かにじっと耐えるオギーだが、彼は少しずつ友人を増やしていく。修了式の日、校長先生はビーチャーという人の言葉を用いつつ、オギーをさしてこう語った。「偉大さは強さの中にではなく、強さを正しく使うことの中にある。最も偉大な人とは、自分自身の魅力で多くの人の心を動かす力を持っている人である。」
格言のような深い言葉がちりばめられた名作である。