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「グッド・ライ~いちばん優しい嘘~」2014年 アメリカ

世界の映画 映画の世界
第13回
「グッド・ライ~いちばん優しい嘘~」
2014年、アメリカ、110分
<監督>フィリップ・ファラルドー

嘘はよくない。でも中には「いい嘘」もある。例えば、出エジプト記1章で、ファラオが「男の赤ちゃんなら殺せ」と命じていたにもかかわらず、助産婦たちは「自分たちが行く前に産んでしまっているのです」と嘘をついて赤ちゃんを助けた。これは「いい嘘」であり、神も彼女たちを祝福された。
映画の中でも『ハックルベリーフィンの冒険』を読む授業で、学生に「いい嘘とは、厳しい環境を生き抜くための嘘」と答えさせている。
19833年、スーダンで内戦が勃発。北軍が南部の村を破壊し、87年までに数千人の孤児が数百キロを歩いてエチオピアやケニアに逃れた。しかし全員がたどり着いた訳ではない。飢餓や病気で死ぬ子どもたち、少年兵や奴隷にされるために兵士に連れ去られる子どもたち、逃げて撃たれる子どもたち。
マメールの兄テオも4人の弟妹を助けるため、「仲間とはぐれた」と嘘をついて、一人兵士に連れ去られた。
マメールたちはケニアのカクマ難民キャンプにたどり着くが、弟のダニエルは病気のため、そこで死んでしまう。
13年後、彼らはアメリカの難民受け入れ政策により渡米。そこで新たな人生を歩み始める。しかし、全くの別世界で困難も大きい。牧場の牛を見ては故郷に思いを馳せる。
ある日、カクマ難民キャンプで誰かが自分たちを探しているといううわさを聞く。「テオかもしれない!」マメールは居ても立ってもいられずケニアへ飛ぶ。果たしてテオに会えるのか。最後の最後に「いちばん優しい嘘」がすべての人を温かく包み込む。
「急ぐなら一人で行け。遠くへ行くなら一緒に行け。」アフリカの諺だそうである。

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