「平和を祈る夏に寄せて」(2025年8月)
こんにちは、鹿児島加治屋町教会の希望のダイヤルです。
今年も強い日差しとともに、夏がやってきます。鹿児島加治屋町教会では8月に「平和聖日」として、世界や私たち自身の平和について静かに思いを巡らせる礼拝を守っています。しかし現実の世界を見渡すと、いまもなお争いや分断が続き、戦火の止まぬ地が数多くあります。終わりの見えない痛みや不安の中で、私たちはどんな希望を持てるのでしょうか。
暑い夏の日、私は幼いころに父から聞いた終戦直後の話を思い出します。父の家族は第2次世界大戦直前に満州から鹿児島の田舎へ戻り、終戦をその村で迎えました。終戦後、「アメリカ兵が上陸してきたらどうなるか分からない」という不安な噂が村に広がり、女性は髪を切り落とし、家畜も処分し、村人全員が山へと避難したそうです。ただ祖父だけが「この田舎に来るはずがない」と村に残り、しかたなく家族も共に残りました。静まり返った村の空気は、胸の奥にまで恐怖を刻みました。やがて山に逃れていた村人たちが一人、また一人と帰ってきた時、ようやく安堵の気持ちが広がったといいます。
平和は、つかの間の静寂にも似ています。失われて初めて、その尊さが身に沁みるものです。祈りと行動を重ね、小さな和解の積み重ねを大切にしながら、世界に、そして自分自身の心に「平和がありますように」と願いを込めて、祈りたいと思います。聖書では
「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」 (マタイによる福音書5章9節)
と記されています。この夏イエス様の教えを胸に刻みたいと思います。
鹿児島加治屋町教会では、毎日曜日、午前9時からの子どもを中心とした家族礼拝と午前10時30分からの主日礼拝の、2回礼拝を守っております。「希望のダイヤル」をお聞きくださり、ありがとうございました。