1. HOME
  2. ブログ
  3. マルモイ ことばあつめ

マルモイ ことばあつめ

世界の映画 映画の世界
第70回
「マルモイ ことばあつめ」
2019年 韓国 135分
原題:Malmoe: The Secret Mission
〈監督〉オム・ユナ

1910年から45年まで続いた日本統治下の朝鮮半島において、次第に思想統制が厳しくなり、朝鮮の人々は氏名も言葉も奪われていった。これはそうした中、命がけで自分たちの言語と精神を守ろうとした人たちの物語である。
ジョンファンの父は、今は「皇民化教育」を推し進める京城第一中学校の理事長となっているが、かつては夢を持ち、息子にこのように語っていた。「一人の十歩よりも十人の一歩。みんなが力を合わせれば、独立できる。」
ジョンファンは今もその言葉を信じ、同志に呼びかけ、言語を次の世代にのこすためにひそかに「辞典」(マルモイ)作りに励んでいる。そのために標準的な言葉だけではなく、全国の同志に呼びかけて方言を集めている。「人が集まる所に言葉があり、言葉が集まる所に志があり、志が集まる所に独立への道が開かれる。」
ある日原稿の入ったカバンをスリのパンスに盗まれてしまう。パンスは教育を受けていない人間であったが、息子の学費を支払うために仕方なく盗んだのだった。それが二人の出会いとなり、パンスも彼らの運動に協力をするようになる。
ジョンファンたちの朝鮮語学会は当局からにらまれ、ついに機関誌「ハングル」も廃刊させられることとなった。しかし彼らは知恵を出し合い、前進していく。当局の目をくぐり抜けて、標準語を定める公聴会を開き、ジョンファンはこう語った。「同志の皆さん、言葉は民族の精神であり、文字は民族の命です。必ずや朝鮮語の辞典を完成させます。」
戦後、失われた原稿も発見され、ついに『朝鮮語大辞典』は完成した。実際のマルモイ原稿は国立ハングル博物館に置かれている。

ポスター画像

関連記事